アイワグループCEO 平川聖士
10月5日、飛騨高山にてテニスで身体を整え、翌6日には万全で穂高に臨むことができました。参加者はスクールに頻繁に通われてる方、数カ月に一度7時間かけてレッスンに挑んでいる方、10年ぶりに参加された方と、様々です。テニスで真っ先に感じたこと、それは、久しぶりに参加された方の身体の異変です。決して運動を疎かにしているわけでもなく、トレッキングで鍛練されているにもかかわらず、機能していないのです。
機能とは「連動」です。地面に接する足から股関節、体幹、最後に腕のしなりと、連動していればスッキリ感が湧きます。
具体的に話しましょう。ボールをキャッチする場合は両手で正面で腕が三角形を作るようにして受けます。ボールが正面からズレても、股関節を意識した両足でステップ移動して正面で受けます。これは体軸、体幹が運動の主軸である確認です。それがラケットが主役で捌いてしまっているのです。これでは汗を流すことはできても、故障はつきものです。急遽、ボールの受け止め方から始め、ボレーで整え、全員で正しい身体の使い方を「テニス」で再認識できたことは、みんなで「登山」を無事敢行できたことにも繋がりました。
良いことは繋がりをもち、「喜び」も連動していきます。
身体の「連動」は、アイワテニススクールのレッスンの「主軸」です。今やアイワテニスの参加者のほとんどが健康志向、身体の再生を目的にしています。「医学」も習得したコーチがレッスンに臨んでいますので、詳しくはスクールにて。
登山では体幹、体軸のズレは致命傷になります。当日は天候にも恵まれ快晴でしたが、前日はケガ人、死亡事故もあったそうです。穂高に会える喜び、ここまで来れたことへの感謝を胸に、みんなで喜び合えたことは何よりでした。
標高2000mあたりはシラビソの森、西穂山荘付近は一面のハイマツ、そこには自然の気高さが堂々と潜んでおりました。360度のパノラマを眼下にした、その時、十数年前に友人から戴いたシラビソの精油(アロマ)の柑橘系の爽やかな香りが、スーッと蘇ってきました。シラビソは針葉樹としては短い、我々「人」と同じ寿命です。だから、馴染んだ安らぎの香りが心地よいのかもしれません。身も守り、人にも必要なリモネン成分の分析だけではない、なぜか、その香りが身近に感じるのです。
かなり前の経験でさえも味覚、嗅覚、触覚は自身の中に潜んでいたこと、66年間に経験した五感は「美」に繋がっていることを実感できた「ひととき」でもありました。
生きる山々が繋がる「連峰」、すべてが美しく、堂々としておりました。壮大な景色と正対すると、視点や視線ではなく「視軸」が増えます。
世界遺産「白神山地のブナの森」は、栃の木たちが土台を固めているからこそ森が成り立っているように、テニスも手打ちにならないように、地面に接する足の触感から股関節、股関節から体幹を意識して、下からエネルギーが連動するように実践してまいりましょう。自身の身体と心を今一度顧みて、連動した身体のスッキリした快感、落ち着いた心の安らぎ、そこから満ちてくるエネルギーが人々との連携を生み出します。
さあ、みんなで人々の「連峰」を創っていきましょう。
2024年10月11日
那古山の頂上にて海の向こうの富士山を眺めながら・・・筆
(次回のコラムは11月15日を予定しています。)